福祉レジーム論とは何か、徹底分析

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今回の記事では福祉レジーム論とは何か。日本の未来はどうなるか徹底分析していきたいと思います。

はじめに

福祉レジーム論は、福祉国家の機能を安全保障や治安維持などに限定するのではなく、社会保障制度の整備を通じて国民の生活の安定を図ること
社会保障や公的扶助などの福祉が各国でどのように実施されているかを国際的に比較し、その特徴を理解するための理論です。具体的には、福祉の生産が、市場、国家、家族間でどのように配分されているのかに注目しています。この理論は、各国の福祉政策の特性や問題点を理解し、改善策を考える上で有用です。

本記事では、自由主義レジーム社会民主主義レジーム保守主義レジームの特徴とそれぞれの問題点を解説し、日本がどの方向を目指すべきかを考察します。

自由主義レジーム

自由主義レジームは、アメリカをはじめとするアングロ・サクソンの国々で多く見られ、小さな国家、リスクの個人責任、市場中心の問題解決に向けた政治的取り組みが大きな特徴です。市場の役割が大きい福祉レジームである。自由な政治と経済体制のもと、自由な市民による自主的な合意によって制定される「法律」と、自由な意思を持つ個人どうしの自発的で主体的な裁量によって結ばれる「契約」によって初めて、各人がこの「所有権」を保障され、自分自身や自分が自由に生きるために必要な自分が占有できる財産を得るのだと主張されています。

しかし、自由主義レジームの問題点として、国家による福祉サービスの提供が極めて限定的で残余的なものであり、多くの福祉サービスの提供は資力調査や所得調査を伴い、対象者を限定とした公的扶助に大きく偏っています。また、女性が長い休業を取る代わりに育児サービスを利用して早めにフルタイムの職場復帰をする傾向があり、企業側の女性雇用コストが比較的小さいため、北欧諸国よりも民間部門での女性の管理職比率が高く、また性別職域分離も小さいです。

社会民主主義レジーム

社会民主主義レジームは、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランドといった北欧諸国に見られます。社会民主主義の特徴として、経済格差の縮小を国家の責任において行い、貧困層も含めた人々の生活を保障する点があります。社会民主主義は、自由主義と対照的に、国家が福祉サービスを提供する重要な主体とされ、福祉の市場への依存から脱却が図られ、平等主義が追求される点に特徴があります。

日本は戦後、社会民主主義的な政策を一部取り入れていますが、諸国と比較すると、以下の点で異なります。

  • 保守的な要素の強さ:日本は伝統的な価値観や経済利益を重視する傾向があり、社会的公正よりも経済成長を優先することがあります。
  • 福祉制度の限定:日本の福祉制度は充実していますが、一部の分野で限定的です。特に介護や育児休暇などの課題があります。
  • 労働者の権利保護の改善:日本は労働者の権利保護を強化する必要があります。長時間労働や非正規雇用の問題が根強く残っています。

社会民主主義は国ごとに異なる実践がありますが、公正な社会を目指すために重要な考え方であると言えます。

保守主義レジーム

保守主義レジームは、日本やドイツなどの南欧諸国などの国で多く見られる考え方です。特徴として、職域別に分割された社会保険制度と家族主義の考え方が根底にあります。また保守主義では、「貢献原則」に基づく社会保険制度が職能別に編成され、労働者の雇用関係やどのような産業、企業で働くかで、加入する保険制度が異なるのが特徴です。

しかし、包括的な社会政策の促進が試みられてきたが、人口高齢化を目前にして直接的な所得保障システムなどの実施は思い止めさせられ、逆に日本では保守派により補完政策として儒教家族主義の復権が試みられていると指摘されています。保守主義レジームは、保守政党の影響を受けます。保守政党は伝統的な価値観を支持し、社会的変革を制限する立場を取ります。

日本は、社会民主主義的な政策と保守主義的な要素を組み合わせています。労働者の権利保護の改善や、包括的な社会政策の促進が求められています。公正な社会を目指すために、さまざまなレジームの特性を理解し、適切な政策を採用することが重要です。

日本型福祉レジームの特徴と変遷

日本の福祉レジームは、エスピン=アンデルセンの分類のどれかにすっきりとは位置づけられない性格を持つが、少なくとも社会民主主義レジームとはいえないとの理解が一般的である。日本における福祉レジームの発展と変容を、労資の権力資源動員と政治的リーダーシップ、官僚のイニシアティヴという異なる政治のダイナミズム、およびそれらが作動する制度的諸条件に着目し、国際比較の観点から分析したものである。

日本の福祉レジームは、他の国々と比較して独自の特徴を持っています。以下に、日本型福祉レジームの特徴とその変遷について詳しく説明します。

1. 労資の権力資源動員と政治的リーダーシップ

日本の福祉政策は、労働者と雇用主(労資)の協力と政治的リーダーシップによって形成されてきました。戦後の復興期には、労働者と雇用主の協力によって社会保障制度が整備され、高度成長期には政治的リーダーシップによって福祉政策が進展しました。

2. 官僚のイニシアティヴ

日本の官僚は、福祉政策の立案・実施において重要な役割を果たしています。官僚は、政治家と連携しながら、効率的かつ公正な福祉制度を構築してきました。しかし、官僚主義の弊害も指摘されており、改革の必要性もあります。

3. 制度的諸条件

日本の福祉レジームは、制度的な諸条件によって影響を受けています。例えば、日本の家族制度や地域社会の結びつき、企業と労働者の関係などが福祉政策に影響を与えています。

4. 国際比較の観点からの分析

日本の福祉レジームは、他の国々と比較しても特異的であり、社会民主主義レジームとは異なる側面を持っています。国際的な視点から、日本の福祉政策を分析することで、改善点や新たな方向性を見つけることができるでしょう。

日本は、自由主義レジーム、社会民主主義レジーム、保守主義レジームの良い側面を取り入れつつ、国内の文化や社会的背景に合わせた福祉政策を進めていくべきです。これにより、国民の生活の安定と社会の発展を両立させることができるでしょう。

参考:厚生労働白書

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