高齢化率世界2位『イタリアの介護福祉制度を徹底分析!』世界の介護事情について知りたい方へ

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はじめに

イタリアの高齢化率は、日本に次いで世界で2番目

イタリアは高齢化率は世界2位ですでに日本と同じ超高齢者社会を迎えています。
2023年時点で65歳以上の人口が全体の24.5%(日本は29.1%)を占めており、2050年までには35%にまで上昇すると予測されています。
この高齢化は、医療システムに大きな負担をかけています。特に新型コロナウイルスの大流行時には、高齢化社会と医療資源の不足が重なり、医療従事者はどの患者を救うかという困難な決定を迫られました。また、高齢者よりも生存の可能性が高いため、医師は現在、若年のCOVID-19患者の治療を優先しています。さらに、イタリアの人口は減少傾向にあり、2023年の5911万人から2070年には20%減の4760万人になると予測されています。これらの問題は、イタリアが直面する高齢化の課題を象徴しています。

そんな日本と同じ課題を抱えているイタリアはどのような福祉制度・政策をとっているのでしょうか?
徹底分析していきましょう。

なぜイタリアは超高齢化社会になったのか

イタリアの社会福祉制度の基本概要

イタリアは、高齢者、障害者、子育て世帯など、幅広い人々の福祉を保護するために様々な制度を導入しています。老人介護、障害者支援、子育て支援、福祉給付金など、その内容や運営方法は詳しく紹介していきます。イタリアの社会福祉制度は、コーポラティズム保守主義レジームモデルで運営されており、一般政府歳出に占める社会的保護の割合は、2014年には41.8%でした。また、国民識別番号(コーディチェ・フィスカーレ)が導入されています。※日本でいうマイナンバー。

保健分野

1978年にServizio Sanitario Nazionale (SSN)が発足し、英国を参考にした国民保健サービス制度となりました。SSNは公費負担医療によるユニバーサルヘルスケア制度であり全市民を対象としています。

年金

一般税収を原資とした最低年金制度であり、20年以上の居住者が受給資格を持ちます。

家族政策、高齢・障碍者ケア、社会的支援

育児休業は出産前2か月から出産後3か月まで取ることができます。家族手当は家庭の人数と収入、および障碍の有無によって決定されます。社会的支援はミーンズテストに基づいて必要とする家族へ支給されます。高齢者へのサービスは、ハンディの程度と家族的な必要性に基づいて地方自治体より提供され、ボランティア団体やNPOが従事しています。無職の障碍者には毎月270ユーロが支給されます(約45,000円。2024年2月現在)

介護制度の特徴

イタリアでは、介護サービスを提供するのではなく、現金給付という考え方が主流であり、1980年代から介護者に対して介添手当が支給されています。
イタリアの高齢者の介護は、家族内における出産や育児、病気や失業などのライフサイクルに位置づけられ、家族を介護の中心に置いています。イタリアの高齢者のうち、95%は自宅に住んでおり、5%が老人ホーム等の施設に入居しています。
ちなみに日本は在宅介護の人は56.8%、施設介護の人は41.7%とイタリアが在宅介護が進んでいるのがわかりますね。

なぜ在宅介護が95%もいるのか

宗教の影響

イタリアはローマ・カトリックが90%以上を占め、「命を守ることが大前提」という宗教的背景も影響しています。またイタリアの高齢者に対する介護は、家族で行う出産、育児、疾患、失業といったライフサイクルでの位置づけであり、介護を行うのは家族という考えがあります。

選択肢は家族介護か移民女性の訪問介護

イタリアでは公的なサービスの不足によって介護の基本は家族介護となっています。また移民女性によるか安価で柔軟なケアサービスが提供されていることも在宅介護が95%を超えている要因だと推測されます。10年以上前のデータではありますが2009〜2010年のイタリアにおける全死亡者の48%が在宅死となっています。

日本との比較と課題の分析

イタリア

  • 介護者に対して介添手当(現金給付)が支給される
  • 福祉ミックスや、ボランティアといったNPO雇用者数が多い
  • 不法外国人労働者が問題となっている

日本

  • 要介護と認定された場合、その度合いによって国と自治体から補助が出る
  • 介護にかかる費用の1〜3割の自己負担で済む
  • サービス事業所が多数あるので、自分が気に入ったところを選択できる
  • 介護保険の場合は民事上の損害賠償請求までできる

日本も在宅介護を促進する流れの中で、介護者不足は一番の課題になっていると思います。
2035年には79万人不足すると言われている介護士。日本は新たな雇用の形態や体制を見つけなければいけません。

まとめ

イタリアの社会福祉制度は、高齢者、障害者、子育て世帯など全ての人々の福祉を保護するために幅広い制度が整備されています。。世界の介護事情を知りたい方にとって、イタリアの福祉制度は参考になるでしょう。さらに、自国の福祉制度の改革や施策について考えるきっかけにもなるかもしれません。ぜひ、イタリアの福祉事情について知識を深めてみてください。

次回は本記事でも登場したコーポラティズム保守主義レジームモデル(福祉レジーム論)について徹底分析していきたいと思います。

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